日本の企業では人事制度といえば多くが職能資格制度を採用しています。先日も職能資格制度を採用されている社長から、こんな相談を受けました。
「ウチは年功序列にしているつもりはないが、勤続年数の長い人の賃金がどうしても高くなってしまう」
「専門家に作ってもらったが、どう運用していいかわからない」
「評価が曖昧で結局、5段階評価の3にしてしまうことが多い」
「A主任は仕事ができないが、勤続年数は長いので給料が高い。部下Bの方がよほど仕事ができるのに給料は低い。おかしくないかと問い詰められた。」
職能資格制度とは?
職能資格制度は、個々の職務遂行の「能力」によって社員を評価する制度です。
職能資格制度の懸念点
「能力」というものは、目に見えないので、その人に能力があるかないかというのはなかなか判断つきません。今、パフォーマンスを発揮していなかったとしても潜在能力はあるかもしれないからです。
社員全員がもてる能力を発揮できる仕事ができているならいいのですが、そうとは限りません。
そのため、評価すると言ってもどう評価していいのかが難しく、会社が求める貢献度と本人の能力に隔たりが発生する可能性があります。
活かされない職能評価基準書
難しいとは言っても、会社は社員を評価する必要があります。
そのため、職能資格制度の場合、職能資格基準書というものを作成します。
職能資格基準書は、作成の難易度が高いため、職能資格制度を導入している会社は大手コンサルティングファームに作ってもらったケースが多くあります。しかし、作成してもらったはいいものの、基準書に基づいていざ評価するとなると、どう扱っていいのか難しいのが現実です。
記述書にはもっともらしいことは書いてあるのですが、書いてある内容が抽象的で、曖昧で具体性に欠けるので、具体的にどう評価すればいいかが難しいことがあるのです。
そのため、やる気や意識といった評価者の主観的な評価に終始してしまい、たとえ「あいつはやる気があってよい」と高評価だとしても、会社の業績向上とは関係がないことがあるのです。
また、「あいつも3等級が長いからそろそろ上にあげてやらないといけないな」と結局、年功序列となってしまうこともあります。
そうすると仕事ができない人の役職が高かったり、賃金が多かったりということが起きますね。
その結果、人件費がかさむうえに、社歴の浅い社員は会社の人事制度に納得できず、優秀な社員から辞めてしまうということが起こりえます。
人事制度の導入の動機は何ですか?
ここで、そもそもどうして「人事制度を導入したいと」思われたのかを考えてみてください。
社員の定着、成長、生産性向上、会社の業績向上が目的だったはずです。
人事制度で業績を向上させるにはどうすればいいかという着眼点から、人事制度を見直されてみてはいかがでしょうか。
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