人事制度の本質とその目的について
「人事制度は何のために作ると思いますか?」
とあるセミナーで参加されている経営者に質問をすると、「給与や賞与を決めるため」という回答が多く返ってきました。
しかし、この考え方は、実は大きな誤解があります。
確かに人事制度には賃金制度があり、社員の給与や賞与を決める仕組みがあります。
ただし、それはあくまで手段であって目的ではありません。
人事制度の本来の目的とは?
私が支援している会社の事例をご紹介します。
ある経営者から「この評価シートでは、高い点数がつけられない。点数が低いと社員の給与も低くなり不満が出るのではないか」と言われたことがあります。
もし人事制度が給与や賞与を決めるためのものであれば確かにその通りです。しかし、その場合、評価は単なる後付けの作業に過ぎません。
人事制度の目的は、社員を指導し、育成することにあります。
評価シートの役割
評価シートでほとんどの社員が満点に近い点数を取るのなら、その評価制度の見直しが必要です。
なぜなら、満点に近い点数では、社員の成長の余地がなく、育成の機会を失ってしまうためです。
評価シートは、社員がどこを伸ばすべきか、どの部分が成長したのかを上司と部下が一緒に確認し、次のキャリアに向かって成長を支援するためのものです。
誰しも5点を目指していますが、簡単にはいきません。社員は少しづつ成長していくことを説明しておく必要があります。
賃金決定のための評価の問題点
人事制度が賃金を決めるためのものだとすると、相対評価になります。
この場合、上司の評価を経営者が調整し、最終評価が行われます。そうしないと、上司の評価の甘辛によって賃金が決定してしまうためです。
しかし、上司の評価と異なる最終評価をすると、本人に性格なフィードバックができなくなり、部下への評価伝達が難しくなります。
これでは、部下を正しく指導することはできません。
人事制度を育成のためのツールに
人事制度を賃金を決めるためのものではなく、指導育成のためと捉えることで、社員の成長を支援できます。
社員の成長度合いを確認し、成長のための必要なフィードバックをおこなうことで有効な指導が可能になります。
あなたの会社の人事制度は、社員を育てる制度になっていますか。
このようなことにご興味がある方のため、無料相談を実施しておりますので、ぜひご利用ください。
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