大村さん、ウチにきた社員で仕事ができるので、「君を管理職に抜擢したい」と内々に打診したところ、「私は管理職にはなりたくない」と言われました。私たちの時代は出世意欲が高く、少しでも上へ行きたいという野望があったのに、最近の社員は管理職になりたがらない。何かいい方法はないでしょうか?

実は、社員が管理職になりたがらないのは理由があります。

  • 管理職になった方が給与が安い
  • そもそも管理職になることを想定して入社していない
  • 入社後のキャリアステージを会社側が示せていない

その会社では、役職者になると、主任までは残業代が支払われていますが、係長からは支払われなくなります。

主任、係長、課長、部長となるにつれて、責任は増える一方で、給与は逆に少なくなるといいます。

上の役職になると、任される仕事が多くなり、必然と労働時間が長くなります。

対して役職手当は支払われるものの、上の役職になるといってもそれほど高い手当がつくわけではありません。

働いた分、そのまま残業代として支給される主任が一番給料が高いというわけです。

嘘のような本当の話ですが、会社に貢献して優秀と評価されたにも関わらず、役職に就いたばっかりに給与が低くなってしまうのです。

これでは、上を目指したいと思わなくなるでしょう。

また、管理職になって欲しい社員が、そもそも管理職になることを想定して入社していないということも考えられます。

面接の時点で、志望動機や前職の経験の有無を聞き、機械のオペレーターの仕事をしてもらう以上の説明をしていなければ、
応募者側も、オペレーターの仕事だけをしようと考えていますし、それ以上の仕事をしようと思って入社しません。

今まで全く思っていないのに、いきなり管理職にと言われても戸惑いますし、管理職になった後が明確にイメージできなければ責任ばかりが重くなるのでは?
とネガティブな発想しか出てこなければ管理職になりたいと思わないでしょう。

例え、欠員補充のオペレーターの募集であっても、会社として、仕事ぶりによっては会社を引っ張る存在になって欲しいと考えているなら、
その気持ちは伝えるべきでしょう。

面接時点で応募者に対して、取り組んでもらう仕事の重要感を説明し、ゆくゆくは仕事のすばらしさを若手社員に伝えて教えるようになって欲しい
と管理職になってもらうことを前提で話を進めるべきです。

なぜ管理職になることを期待しているのかについても理解してもらう必要があります。

自社で就職し、キャリアを磨き、管理職になることで任せられる仕事も変わり、会社全体を俯瞰できることを期待して面接するべきです。

もちろん、仕事のやりがいだけでなく、比例して給与も上がっていくことを資料等で見せることができれば管理職になりたいという動機づけになります。

面接時点で管理職になってもらうことを前提で話をしていれば、自社を志す応募者もそのつもりで働こうと考えます。

一方で、面接でこういう話をすると、
場合によっては、管理職になるのなら辞めておこう
という人も出てくるかもしれません。

ですが、入社後にミスマッチを起こすより、
会社の方針を説明し、理解した上で入社してもらう方が会社のためにもなります。

それよりも、そこまで自分に期待してもらっているのか、
入社後、経営幹部になれるかもしれない。

そこまでのステージを会社は用意してもらっていると働きがいを感じる人も出てくるでしょう。

そういう人を採用すべきです。

では、既に入社している社員に管理職になってもらいたい場合はどうすればいいでしょうか。

管理職になってからのシミュレーションが社内体制で明確になれば、考え方も変わるでしょう。

一般層、中堅層、幹部層と進むにつれて、責任と権限を一致させ、できる仕事の裁量も大きくなり、仕事のやりがいも大きくなり、給与も高くなっていくことを口頭で説明するだけでなく、社内で仕組みを作っておき、形として示す必要があります。

目で見て確認できればイメージもしやすいでしょう。

あなたの会社では一般社員が管理職になった後、キャリアステージがイメージできるような仕組みになっていますか?


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