動物看護師は、離職率が高いことで知られています。
1年以内の離職率が9割を超える動物病院もあります。
コスト面の問題
せっかく苦労して採用しても、すぐに辞めてしまっては採用コストと人材育成コストが無駄になってしまいます。
せっかくの収益が紹介会社への紹介料や求人コストばかりに取られてしまい、病院に利益が残りません。利益が残らないと、院長のやりたいことや新しい機械を買うための設備投資資金も減ってしまいます。
集患の問題
また動物看護師の離職は、コストだけの問題ではなく集患にも悪影響を及ぼします。
患者さんは、看護師が頻繁に変わっては落ち着きませんし、「この病院は、余程、労働環境が悪いのか」と思ってしまうかもしれません。
また、通院するたびにスタッフが変わると、患者さんとスタッフが仲良くなることができません。
これまでの経緯もわからないので患者さんは自分のペットについて、またゼロから同じ話をしなければならなくなります。最初のうちは同じ話をしてくれても、何度も動物看護師が変わって、その都度同じ話をするのは疲れてしまいます。
そんなときに、近隣にいつも同じ動物看護師が対応してくれる病院ができてしまったらどうでしょうか。患者さんはその病院に親近感を持ち、自分のペットをいつも同じ人が見てくれているという安心感も持つでしょう。
なにより、これまでの経緯をふまえた上でペットの話ができるので、話も盛り上がりますし、「この病院でずっと診てもらおう」となってしまいます。
この負の連鎖は今のうちに止めなければなりません。
自院こそが動物看護師を定着させて、患者さんから安心感、信頼感を勝ち取り、他の病院から来てもらえるようになる必要があります。
動物看護師はなぜ退職するのか?
では、動物看護師はなぜ退職してしまうのでしょうか。
大きく4つの原因が挙げられます。
- 休みが少なく労働時間も長く体力的にしんどい
- 仕事の割に給料が安く、長く続けるのが難しい
- ルーチンの仕事ばかりで将来性がなく、やりがいを持てない
- 先輩や獣医からのパワハラ、女性同士の争い等人間関係で悩む
動物看護師や獣医、事務スタッフの離職が多いと、採用コストがかさみ、今いるスタッフの昇給賞与が難しくなります。逆に動物看護師やスタッフが長く定着すれば採用コストがかからないため、昇給原資や賞与原資も確保できるので今頑張ってくれているスタッフに還元できます。
そうなれば②はクリアできるでしょう。
③については、動物看護師だけでなく獣医や事務スタッフに自院に来てもらってから、定年まで働いてもらうことを視野に入れて、キャリアマップを作成するのも効果的です。
今の立ち位置から将来的な展望はどうなのか、キャリアアップしたら処遇はどうなるのか、などについて、院長が考えていることを形にしてしめしましょう。形にすれば、院長も説明しやすいですし、スタッフの納得感も今までとはまったく違うものになります。
既に退職を決意してしまってからでは、いくら説得しようとしても仕方がありません。
心が離れてしまうと戻ってくることはありません。
退職理由を聞いても、本当の理由を院長に話すことはありません。
角が立たないように、引き留められないように、当たり障りのない理由しか言ってくれません。
今いるスタッフに長く定着してもらうために何か工夫はされていますか?
動物看護師の労働環境を整備し、先行きの見えるキャリアパスの構築、組織体制の見直しをされてみてはいかがでしょうか。
このようなことにご興味がある方のため、無料相談を実施しておりますので、ぜひご利用ください。
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